UNISORB イナーシャブロック 独立防振基礎
IB-500を使用した防振システム

UNISORB イナーシャブロック 独立防振基礎

UNISORB

機械基礎の振動を遮断し機械の性能を向上させる

現地での振動測定結果を踏まえた最適防振システムのご提案

特長

機械基礎の防振の重要性

工場の床に存在する振動

工場の床には、さまざまな振動が存在しています。

これらの振動が存在する床に高精度の工作機械を据付けると、
加工の品質に悪影響を及ぼす場合があります。

機械を設置する基礎に伝わる振動源

1.隣合わせる機械機械の性能に影響
2.天井走行クレーン
3.フォークリフト走行
4.プレス機
5.自動車(トラックヤード、高速道路など)
6.鉄道車両

機械基礎に減衰性を持たせて振動をシャットダウン!!!

機械設置場所の振動状況に適した防振材を用いて
周囲の床と縁切りした絶縁/独立した基礎を施工することで、
周囲から伝わる振動を効果的に低減できます。

これが、「独立防振基礎」です。

独立防振基礎とは

工場の床の振動を機械に伝えないために、防振材で周囲と絶縁された「独立防振基礎」を設けて機械を据付けるという手法があります。

独立防振基礎を用いた防振

独立防振基礎とは、防振材にて周囲の基礎から絶縁された、独立したコンクリートの塊。

独立防振基礎がある場合

× 独立防振基礎がない場合

このように側面にだけ防振材を埋めているケースがありますが、
これでは底から伝わる振動は防げません。

防振システム提案の流れ

  • 防振設計に必要な情報をお客様から提示いただく
    (「お客様にて事前に準備して頂く項目」をご参照ください。)
  • 現地で、機械の設置場所と予想される振動源の確認及び
    振動測定仕様の決定(測定時間帯、測定場所)
    機械メーカの要求仕様が存在しない場合の対処方法
    (現場確認とお打合せ)
  • 振動測定作業(FFT解析)と測定結果の説明
    (測定作業)
  • 適切な防振材の検討(= 防振システムの固有振動数の検討)
    測定結果、検討結果、ご提案する防振システムをレポートにて報告
    (後日提示)
外部から影響する振動は状況により大きく異なる
実際の振動を測定し、適切な防振材を使用することが重要

お客様にて事前に準備して頂く項目

  • 防振対象の設備(独立基礎上に据付ける機械)のメーカと型式情報
  • 機械基礎の許容最大振動加速度の仕様
    (機械メーカの要求仕様)
  • 機械メーカが発行する機械の基礎図と機械外形図
  • 機械の重量(ツールなどを含む)、加工するワークの最小・最大重量
    選定する防振材の種類によっては、重心位置の情報が必要な場合もあります。
  • 独立基礎周辺のレイアウト図
    できれば、独立基礎と振動源となる機械との位置関係が分かるレイアウト図。
    (振動源が特定されている場合)

以下は必須ではありませんが、分かればお知らせください。

  • 振動源が特定されている場合は、その機械の概略仕様
    (例えば近隣のプレス機)
  • ボーリング柱状図

仕様

IB-500を使用した防振システム

防振材料

UNISORB社が使用する主な防振材料

防振材と固有振動数工作機械レーザー研削盤CMM
IB-50011~15Hz1223
GKブロック3.5~5Hz2111
スプリング2~3Hz4321
  • 1~4は使用頻度 1が使用頻度が最も多い(現場での振動測定結果により決定)

防振材によるグラフの違い

  • 各々の防振材料が持つ固有の要素である「減衰係数」の違いにより、グラフの形状は多少異なります。

防振の理論について

防振材の外部に存在する振動が、どれだけの比率で防振材を通過して独立防振基礎に伝わっていくのかを表す数値として、「振動伝達率」という数値があります。

振動伝達率について

振動伝達率の式をグラフ化したものです。

振動伝達率のグラフの見方

縦軸

縦軸(Y軸)= 振動伝導率 です

横軸

横軸(X軸)= 振動数比 です

  • 強制振動数:床に存在する振動の周波数

IB-500固有振動数=11Hzの場合

共振

振動数比=1の時、つまり実際の強制振動数と固有振動数が同じ数値になった時、
元々の振動(振幅)が一番増幅されます。
これを「共振」 と言います。

伝達率の曲線

伝達率の曲線は、振動数比が「√2」(=1.4142)の時に、
防振材の種類に関わらず、必ず伝達率は「1」になります。

振動伝達率のグラフから分かること

防振基礎理論のポイント

  • 防振材の固有振動数は、数値が小さい方が減衰効果が大きい。
  • 現場の強制振動数は、数値が小さい方(低周波域)が減衰が困難。

防振結果

固有振動数11HzのIB-500を使用した場合の、5.5Hz(振動数比=0.5)、11Hz(振動数比=1)、22Hz(振動数比=2)における防振効果

防振効果について

防振システムの固有振動数の設定による、結果への影響

× 誤った防振材を選択

固有振動数 19Hz のシステムを構築した結果

適切な防振材を選択

固有振動数 8Hz のシステムを構築した結果

防振効果の事前シミュレーション

  • 最大加速度0.0015G以内を目標にする場合、固有振動数は11Hzで達成できる。
  • 最大加速度0.001G以内を目標とした場合は、固有振動数は6Hzで達成できる。

床振動の現状把握の重要性(実測値のFFT解析)

既述のように共振の発生防止、及び防振の目標値と必要な固有振動数を設定するには、現状の床に存在する振動の大きさを周波数ごとに数値で把握する必要があります。 このために、「実測値のFFT解析が必要になります。

IB-500を使用した具体的な設計・施工

IB-500 による防振システム(独立基礎)の固有振動数の設定

IB-500を使った独立基礎の防振システムの固有振動数は、独立基礎の底面に敷く防振材の仕様と、防振材に加わる面圧によって決まります。

  • 底面に敷く「IB-500」の枚数
    ほとんどの場合、底面には2層又は3層でIB-500を設置します。
    3枚敷いた方が、固有振動数は低くなります。
  • IB-500に加わる面圧
    大きな面圧を加えるほど、固有振動数は低くなります。
    但し面圧には上限があるので、固有振動数にも設定可能な限界があります。
    面圧は独立基礎の深さで調整します。
    (深い基礎 = 重い = 面圧高い = 固有振動数低い = 防振効果が高い

底に敷くIB-500をすのこ状に配置して接触面積を減らし、面圧を上げる(固有振動数を低くする)こともできます。

施工概要について

IB-500 底面2層 <フルカバー仕様> 標準図

IB-500 底面2層 <部分的カバー仕様> 標準図

防振材の施工箇所

IB-500 施工例